補助金が使えないんじゃない——「補助金の話ができるAI屋」がいないだけ
- 清彦 山崎
- 15 時間前
- 読了時間: 11分

「AIを入れたい」で止まっている社長は、だいたい同じところで止まっている
越谷やその周辺で、経営者の方とお話ししていると、同じ言葉を何度も聞きます。
「AIね、うちもやったほうがいいとは思ってるんだよ」
そのあとに続くのは、たいてい次のどちらかです。
「でも高いんでしょ」
「でも、誰に頼めばいいのか分からない」
私たちは、この二つは別々の悩みではないと思っています。同じひとつの詰まりの、表と裏です。
「高い」で止まっている社長は、実は金額そのものより先に、その金額が妥当なのかを一緒に考えてくれる相手がいないことで止まっています。見積もりが1枚あっても、それが高いのか安いのか、判断する材料がない。比べる相手もいない。だから決められない。
そして「補助金が使えるらしい」という話を聞いても、今度はこうなります。
「じゃあ、その話は誰にすればいいんだ?」
ここから先が、この記事の本題です。
補助金が使えないのではありません。話ができる相手が、構造的に少ないのです
まず、はっきりさせておきたいことがあります。
AIツールの導入で、補助金が使えるケースはあります。
「あります」と書きましたが、「あなたの会社で使えます」とは書きません。ここは私たちが絶対に踏み越えないラインです。理由は後で詳しく書きます。
問題は、その先です。
補助金を使って何かを導入するとき、多くの制度では「支援する側の事業者」も制度に登録されている必要があります。そして、その登録の要件には、たいてい「そのサービスを実際に販売した実績」が含まれます。
これがどういう意味か、少し考えてみてください。
販売実績がないと登録できない。登録されていないと、補助金の枠の中で売れない。
つまり、後から新しく参入した事業者は、構造的に入りにくい。鶏が先か卵が先か、という話になっています。
結果、何が起きるか。
補助金の枠の中にいるのは、以前からその制度に登録している既存のIT事業者が中心になります。それ自体は悪いことではありません。長くやってきた実績があるということですから。
ただ、そこには一つのズレがあります。
その事業者の多くは、AIを本業としてやってきたわけではない。
会計ソフト、販売管理システム、勤怠管理、ホームページ。そういうものをきちんと売ってきた会社です。真面目な会社です。でも、「うちの技能承継をAIでなんとかできないか」という相談に、経験から答えられるかというと、それは別の話です。
逆に、AIに詳しい若い事業者や、AIを本気でやり始めた会社は、制度の枠にはまだ入っていないことが多い。
だから、「AIが分かっていて、かつ補助金の枠の中にいる相手」が、そもそも数として少ない。
社長が悪いのでも、事業者が悪いのでもありません。制度の構造がそうなっている、という話です。
「AIに補助金を使いたい」と思った社長が、頼める相手を見つけられない。その本当の理由は、ここにあります。
補助金は入口です。出口は別のところにあります
もうひとつ、お伝えしておきたいことがあります。
仮に補助金の話ができる相手が見つかったとして、それで終わりではありません。むしろ、そこからが本番です。
私たちは、AIをこう考えています。
AIは、会社固有の知識を持たない、優秀な新入社員です。
頭はいい。飲み込みも早い。徹夜も文句を言わない。でも、あなたの会社のことは何ひとつ知りません。
お客様に「あれ、いつものやつ」と言われたときの「いつものやつ」が何か
この機械が変な音を出したとき、ベテランが何を見て判断しているか
なぜ、うちはあの手順を20年変えていないのか
これを知らないAIは、ただの賢い他人です。もっともらしい答えを返してきますが、それが現場で使えるかどうかは別問題です。
だから、AI導入で本当に難しいのは、制度の書類ではありません。
会社の中にある知識を、誰が、どうやってAIに渡すのか。
ここです。私たちはこれを「知識蒸留」と呼んでいて、これこそがAI活用の本質だと考えています。
補助金は入口。出口は「自社の業務を分かってくれる相手がいるか」。この二つは、まったく別の問題です。そして、後者のほうがずっと難しい。
実際にやっている仕事の話(製造業の技能承継)
ここまでは考え方の話でした。ここからは、私たちが実際にやっている仕事の話をします。検索でこのページにたどり着いた方は、たぶん「で、この会社は何ができるんだ」が知りたいはずなので。
ExpertSYS(AI技トレ)——ベテランの答えを、AIから引き出せるようにする
製造業の会社で、いちばんよく聞く悩みがこれです。
「ベテランが辞めたら、この仕事は誰がやるんだ」
マニュアルは作った。分厚いバインダーにまとめた。でも誰も読まない。読んでも、写真だけでは分からない。結局ベテランに聞きにいく。そのベテランが、あと数年で退職する。
ExpertSYS(エキスパートシステム)は、この状況のための仕組みです。
価格は660,000円。 2年目からの保守契約は月5万円です。
やっていることを、ひとことで言うとこうです。会社のナレッジ(知識)から、AIが答えを引き出してくるFAQシステム。
普通のAIと違うのは、ここです。
完全なAI任せではありません。 人が決めた答えを、AIがナレッジの中から探して出す方式です。だから、AIが勝手に話を作る間違いが起きにくい。
映像で教えられます。 文字で説明しきれない手の動きは、その場で動画を出します。私たちは映像制作を20年以上やってきた会社なので、ここが本業と直接つながっています。
音声入力に対応しています。 手が汚れている、手袋をしている、という現場でも聞ける。
間違いは現場のスタッフが直せます。 ナレッジを足していけば、システムはどんどん賢くなる。育てられる仕組みです。
使い道は技能承継だけではありません。機械の使い方マニュアル、就業規則の説明、お客様対応のBOT、書類の出し方。「毎回、誰かが同じことを聞かれている」場所なら、どこでも当てはまります。
そして、補助金との関係で言うと、ここは正直に書いておきます。
ExpertSYSは売り切りのパッケージ製品です。 開発案件ではなく、決まった形のものを導入する。この形のほうが、一般論として、補助金の申請では説明しやすい傾向があります。中身と金額がはっきりしているからです。
ただし——あなたの会社で使えるかどうかは、私たちには判定できません。 これも後で詳しく書きます。
Webサイト制作パッケージ——AIがブログを書き、社長は承認するだけ
もうひとつ、値札のあるものを紹介します。
Webサイト制作パッケージ。価格は300,000円。 保守は月2万円(AIの利用料込み)です。
普通のホームページ制作と違うのは、AIが自動でブログ記事を書く仕組みが最初から入っていることです。
少人数の会社では、社長にすべての仕事が集中します。ホームページを作ったはいいが、更新が半年止まっている。よくある話です。というより、ほとんどの会社がそうです。
この仕組みでは、会社のナレッジを登録しておけば、夜のあいだにAIが記事の下書きを作ります。社長は朝、それを読んで、良ければ公開する。書く仕事が、選ぶ仕事に変わります。
ECにも対応していて、Stripeを使ったクレジット決済(手数料3.6%)も組み込めます。
実際に、小規模事業者の方向けに、販売とブログ生成をAIが行うシステムを構築した例があります。個人事業主の方なら月額5,000円で使える形にしたもので、これによってYouTube Liveで講師をして課金する、といった商売の形が可能になりました。リアルで売るだけでなく、ネットでも売れるようになった、ということです。
AIの個別指導——受講した1名が、売上約1,000万円
もうひとつ、数字のある話を。
私たちは、AIを使ったシステム開発(VibeCording)やAIチャットボットの使い方について、個別指導もしています。
これまで5名以上の方に個別指導を行い、そのうち1名の方は、約1,000万円の売上を達成されました。
これは私たちが売り上げた金額ではありません。教わった側が、自分の事業で立てた売上です。 ここが大事なところだと思っています。
AIは、渡して終わりの道具ではありません。使う人が自分の仕事に引きつけられたとき、初めて売上になる。逆に言えば、渡しただけでは何も起きません。導入して終わりの会社と、その先まで一緒にやる会社の差は、ここに出ます。
私たちが「この補助金が使えます」と言わない理由
ここまで読んで、こう思われた方がいるかもしれません。
「補助金の話をしておいて、なぜ制度名も金額も書かないんだ」
理由をはっきり書きます。書けないからです。そして、書くべきでないと考えているからです。
理由1:要件は毎年、公募回ごとに変わります
補助金の要件は、年度によって変わります。同じ年度でも、公募の回によって変わることがあります。対象になる経費の範囲も、補助率も、締切も動きます。
去年の話を今年そのまま持ち出したら、それは古い情報です。ホームページに書いた瞬間から古くなっていく種類の情報を、断定形で書くのは不誠実だと考えています。
理由2:対象になるかどうかは、会社ごとに違います
従業員数、業種、直近の決算、過去の受給歴。同じ「越谷の製造業」でも、A社が対象でB社が対象外、ということは普通に起こります。
会社の中身を見ずに「使えます」と言うのは、当てずっぽうです。当てずっぽうで期待を持たせて、後から「対象外でした」となったとき、いちばん困るのは社長です。
理由3:私たちは補助金の専門家ではありません
私たちは映像とAIの会社です。社会保険労務士でも、中小企業診断士でもありません。
判定はしません。 これは能力の限界を認める話であると同時に、私たちが守っている線です。分からないことを分かるふりで話す会社に、会社の中身は預けられないと思うからです。
では、何ができるか
一緒に調べます。そして、必要なら専門家におつなぎします。
これが、私たちが正直に言える範囲です。
「AIツールの導入で、補助金が使えるケースがあります。おたくの場合はどうか、一緒に公募要領を見てみましょう。専門的な判断が要るところは、詳しい方につなぎます」
地味です。「補助金で実質負担ゼロ!」のほうが、たぶん問い合わせは増えます。
でも私たちは、そう書かないほうが最後に信用が残ると思っています。書けることと書けないことを区別している会社かどうかは、たぶん、その会社に何かを預けていいかを決めるときの、いちばん確かな手がかりです。
金額・要件・締切については、必ず公募要領でご確認ください。これは私たちがどう言おうと、最終的にはそこに書いてあることがすべてです。
動く順番のことだけ、最後に
「じゃあ、うちは何から始めればいいのか」という話で終わります。
多くの会社が、この順番で止まっています。
AIを入れたい、と思う
高そうだ、と思う
補助金が使えるらしい、と聞く
誰に相談すればいいか分からない ← ここで止まる
止まっている原因は、3と4のあいだにあります。制度ではなく、相談先の構造です。
私たちがおすすめしたいのは、順番を入れ替えることです。
制度から入らず、困りごとから入る。
「ベテランが辞めたら、あの作業は誰がやるのか」
「ホームページが半年止まっている」
「同じ質問に、毎日誰かが答えている」
まずこれをはっきりさせる。そのうえで、「これはAIで何ができるか」「いくらかかるか」「補助金が使えるケースに当たりそうか」を、順番に見ていく。
制度から入ると、制度に合う仕事を無理に探すことになります。困りごとから入れば、少なくとも会社の役には立ちます。補助金が使えなかったとしても、困りごとが減れば、それは投資として意味があります。
補助金が取れることを目的にした導入は、たいてい、使われないシステムになります。 これは私たちが、20年この地域で仕事をしてきて思っていることです。
私たちについて
株式会社山崎メディアミックス(YMM)は、埼玉県越谷市の会社です。
映像制作を20年以上やってきました。企業の講義収録、自治体向けの映像、医療分野の教育コンテンツ。MR(医薬情報担当者)向けの教育コンテンツは、これまで200本以上を制作しています。
その映像の会社が、なぜAIをやっているのか。
私たちの本業は、ずっと「人の話を聞いて、分かる形にすること」だったからです。
現場に行って、職人さんの話を聞いて、何が大事なのかを見抜いて、それを伝わる形に組み立てる。映像でやってきたのは、ずっとそれです。
AIに会社の知識を教える仕事は、これと同じことです。道具が変わっただけで、やっていることは変わっていません。だから私たちは、AIから入った会社とは違う入り方をしています。先に聞く。それからAIに渡す。
値札を先に出しています
ExpertSYS(AI技トレ) … 660,000円(2年目以降の保守:月50,000円)
Webサイト制作パッケージ … 300,000円(保守:月20,000円/AI利用料込み)
ショート動画制作 … 130,000円
映像配信 … 1日 100,000円〜(内訳を開示する明朗会計)
私たちは、値札を先に出す会社でありたいと思っています。
中小企業の判断は、最後はお金で決まります。それは当たり前のことで、恥ずかしいことでも何でもありません。だからこそ、見積もり待ちで2週間止めるようなことはしたくない。金額が先に見えていれば、社長は「うちの規模で払える話か」を、その場で判断できます。
安さで勝負するつもりはありません。ただ、金額が見えない不安は、私たちのほうで消せます。
まず、話をするところから
「うちの場合はどうだろう」と思われたら、声をかけてください。
どんな困りごとがあるか、聞かせてください
AIで何ができそうか、正直にお話しします(できないことは、できないと言います)
いくらかかるか、その場で値札をお見せします
補助金が使えるケースに当たりそうか、一緒に調べます。専門的な判断が要るところは、詳しい方におつなぎします
判定はしません。断定もしません。ただ、一緒に調べる相手にはなれます。
冒頭に書いたとおり、いま多くの社長が止まっているのは、制度のせいではなく、この「一緒に調べる相手」が見つからないからだと、私たちは思っています。




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