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「入れば必ず、何か役に立つ」——YMMがタダで作ってしまう理由

私が尊敬している、ある営業マンの話

私が尊敬している営業マンがいます。飛び込みで、何件も仕事を取ってくる人です。

なぜあの人は取れるんだろう、と長いこと考えていました。口が上手いから、ではありません。押しが強いから、でもない。あの人と話していて分かったのは、たった一つのことでした。

「自分がそこに入れば、必ず何か役に立つ」と、本気で思っている。

これだけです。だから断られても折れない。売りに行っていないからです。売りに行った人は、断られると自分を否定された気になります。でも「役に立ちに来た」人は、断られても「今日は要らなかっただけだな」で終わる。翌日また別の扉を叩ける。

この話を、私たちの会社に置き換えたらどうなるか。それが今日書きたいことです。

結論から言うと、こうなりました。

呼ばれてから行くのをやめて、入った先で必ず何か置いてくる。

きれいごとに聞こえるかもしれません。ですので、この3年で実際に何を置いてきたのか、具体的に3つ並べます。全部、越谷とその周りで起きたことです。


置いてきたもの その①:七夕のアプリを、無料で作った

2026年の「おかえりせんげん台の七夕祭り」で、回遊アプリを作りました。無料です。

中身はこうです。

  • 大袋北小学校と千間台小学校、2校あわせて1400人の小学生が書いた短冊を、商店会のおよそ40店舗の笹に飾る

  • お父さん・お母さんが、スマホで「うちの子の笹は、どのお店にあるかな」と探して歩く

  • 埼玉県立大学の学生さん100人の作品も、店舗とメインブースに配置(メインブースには50〜60個ほど)

  • 学生さんは文化人類学を学ぶ方々で、各県の風習をオブジェにして制作。アプリでは「どこの県のどの場所の作品か」が地図で見られる

つまり、地図で店舗を調べて、回って歩いてもらうアプリです。

現場では「うちの子の、見つけた!」という声が上がりました。ただ、私が本当に良かったと思っているのはそこではありません。みんなが回遊して、いろんな場所の作品を見て回ったこと自体です。しかも県立大の学生さんたちが、自分たちでスタンプラリーとクイズラリーの2つを企画して開催してくれました。クイズの中には、私が提供した越谷の情報の問題も混ぜてもらっています。

なぜ、タダでやったのか。

シビックプライド、という言葉があります。自分の住んでいる地域を誇りに思う気持ちのことです。子どもたちに、それを持ってほしかった。それだけです。

そして、後日談があります。このスタンプラリーを企画した県立大の4年生が、「YMMに、すごく興味があります」と言ってくれました。 一緒にやってきたところから、何かを感じてくれたのだと思います。

見積書を出していたら、こうはなっていません。


置いてきたもの その②:倉庫の中で、言葉を一つ拾った

埼玉中小企業家同友会の東部支部で、9年ほどお付き合いのある丸越運輸倉庫さん。上野社長から「ショート動画で採用をつくれるか?」とお試しでご依頼をいただきました。

きっかけは、私が高校生の模擬面接官を4年やっているという雑談です。ネット検索で来た完全な新規のお客様ではありません。関係の積み重ねから生まれた仕事です。

私が企画の根っこに置いたのは、「倉庫業は楽しい」ということでした。

働くことが「日常」になると、人はそれに「無関心」になっていきます。自分の仕事の何が面白いのか、自分では見えなくなる。でも、映像ディレクターの目で見ると、一挙手一投足が面白いんです。

現場で、フォークリフトに乗るスタッフの方に雑談で聞きました。「フォークマンって、どんな存在だと思いますか?」

返ってきた言葉が、これでした。

「フォークマンは、空間デザイナーです」

しびれました。フォークリフトの仕事は、運転することではないんです。どこに何を詰め込むか。先入れ先出しをどう成立させるか。空間の情報を頭の中で把握して、荷物を埋めていく仕事です。複雑で、やりがいがある。

この方は4月に入ったばかりですが、経験が長いので現場で先生役を買って出ておられます。その教えている姿の映像も、リリースの予定です。

トラックのことも知りました。トラックは、本体と同じくらいの金額が荷台にかかることがある。そのトラックを毎回ていねいに掃除するスタッフの方がいる。それを聞いて、胸が熱くなりました。

私が置いてきたのは、映像ではありません。「フォークマンは空間デザイナー」という言葉です。

この言葉は、会社の中にもともとあったものです。私が作ったのではない。ただ、外から来た人間が「それ、面白いですね」と言わないと、社内では永遠に日常のまま埋もれます。

余談ですが、この動画に、越谷テレビ時代からの視聴者のヒロさんが「倉庫番みたいに空間デザイナーなんですね」とコメントをくれました。届く人には届くんだな、と思いました。


置いてきたもの その③:教えた相手の数字が、動いた

もう一つ、少し前の話を。

CDOTさんで、映像制作——とくにスマートフォンでの映像制作の講義を、全10回にわたって行いました。集客はCDOTさんが商工会議所にチラシを入れる形だったので、集まったのは商工会議所の会員さん、つまり地元の中小企業の経営者が中心でした。

そこで一番多かった質問は、テクニックの話ではありませんでした。

「これを、どうやって続けていったらいいですか」

継続の話です。当時はまだAIがありませんでしたから、私の答えは「軽いものから毎日投稿していく」——習慣化しかありませんでした。

様々な講義をしましたが、受講された方の中に越谷市観光協会さんがいらっしゃいました。その後、投稿のクオリティが目に見えて上がって、再生回数の桁が変わりました。 それまでは100とか200だったものが、大きく伸びた投稿が出たんです(伸びた投稿で撮られていたのは花田園でした/※到達した数字は私の記憶があいまいなので、ここでは書きません)。

何が変わったのか。私がお願いしたのは、たった一点です。

フィックス(固定)で3秒以上流さない。

カットを多くする。動きのあるカットならいい。でも固定のカットで3秒以上は長いので、短く切る。それだけです。

抽象論ではなく、明日そのまま手が動く具体を一つ渡す。私が講義でやっているのはこれだけです。

ここに、私たちの立ち位置が出ていると思っています。作ってあげるだけでもなく、講釈を垂れるだけでもなく、その会社の人が自分で撮れるようになるところまで付き合う。 私は「映像がうまい人」である前に、教えた相手の数字が動く人でありたいと思っています。


なぜ、こういう入り方をするのか

ここまで読んで、「人が good なだけの会社だな」と思われたかもしれません。違います。理由があります。

理由1:私には、返せなかった問いがある

3年前、コロナで仕事が全部消えました。映像もイベントもゼロ。その前に取締役に辞めてもらい、入れた新人にも離職され、気づけば会社に自分だけになっていました。売上ゼロ。自己肯定感もゼロでした。

一番深い底で、経営指針づくりのセミナーでこう言われました。

「映像って、山崎がやらなくてもよくね?」

何も、返せませんでした。

返せなかった理由に、自分で気づいてしまったからです。本当は、好きじゃなかったのかもしれない、と。完全に打ちのめされました。

そこからAIに出会って、藁にもすがる思いで触り始めて、アプリを150個作りました。 かっこいい話ではなく、執念です。お金を生んだという意味では、売上になったのはごく一部です。でも、全部が資産として残っています。 七夕アプリも、TsunaguSalesも、今このブログを書いている広報の仕組みも、全部その150個の上に建っています。

あの日の問いには、今は自分の言葉で答えられます。AIが経営を決めたのではありません。AIと壁打ちを続けるうちに、自分の答えが出ました。

この経験があるので、私は人を縮こませたくないんです。自分がそうされて、潰れかけたので。

理由2:「何もない社長」なんて、いません

AIの話をすると、多くの経営者の方が縮こまります。「うちは遅れている」「うちには何もない」と。

でも、経験者ほど、AIは強いんです。 一人でも、零細でも、何十年ぶんの現場判断の積み重ねがある。それが全部AIの燃料になります。フォークマンの方が持っていた「空間デザイナー」という感覚も、ご本人にとっては当たり前でした。当たり前が、外から見ると宝です。

私たちがやっているのは「AIを売ること」ではありません。その会社の知識をAIに移して、相談しながら形にするお手伝いです。AIは、会社固有の知識を持たない優秀な新入社員です。しかも忘れっぽい。だからメモを取って、毎回渡す。それだけのことです。

理由3:入る前には、何が役に立つか分からないから

これが一番、実務的な理由です。

見積書から始まる関係だと、「頼まれたことをやる」で終わります。でも、その会社にとって本当に効くものは、たいてい入ってみないと分かりません。

七夕は「地図で回遊させる」でした。丸越運輸倉庫さんは「空間デザイナーという言葉」でした。CDOTさんの講義は「3秒」でした。どれも、事前の企画書には書けなかったものです。 現場で聞いて、初めて出てきた。

だから先に入る。入って、その場で何か置いてくる。それが一番確実に役に立つ方法だと、20年やってきて思っています。

ただし——線は引きます

ここは、ごまかさずに書いておきたいところです。

私は昔、これで一度潰れかけました。

誠実に、一人ひとりに無料で向き合い続けた結果、無料で使われて、売上ゼロの月がいくつもありました。 「いい人」のまま、会社を潰しかけたんです。

なので、今はこう決めています。

無料で助けることは惜しみません。ただし、助け続けるために、対価をもらう線を引きます。

冷たいのではありません。いい人が潰れたら、相談できる相手そのものが世の中から消えるからです。 線を引くのも、誠実さのうちだと思っています。

だから私たちの無料は、「なんでもタダでやります」ではなく入口です。入口の先に、ちゃんと値札があります。

値札(聞かれる前に、出しておきます)

「この会社に頼んだら、いくらかかるんだろう」——検索してここまで読んでくださった方は、そこが一番知りたいはずです。先に出しておきます。

| サービス | 価格 |

|---|---|

| ショート動画制作 | 130,000円〜(企画ヒヤリング3万円+撮影1日5万円+編集1日5万円として) |

| 映像配信 | 1日 100,000円〜(機材セッティング5万円+山崎の日当5万円。人員追加は1人日+5万円、簡易編集5万円〜) |

| Webサイト制作パッケージ | 100,000円(保守 月2万円。AI利用料込み。AIが下書きするブログ機能つき) |

| ExpertSYS(AI技トレ・社内FAQシステム) | 660,000円(保守は2年目より月5万円) |

| VibeCordingでのAIシステム開発 | 金額は案件ごと。(→下に理由を書きます) |

撮影・編集は「作業」なので、内訳を全部お見せします。 人日×単価で積み上がっているだけなので、隠す理由がありません。「1日いくらの人が、何日入るか」——それだけです。

企画・構成は別立てにしています。 ここは人日で数えられる仕事ではないので、内訳は出していません。フォークマンの言葉を拾うのに何時間、とは書けないからです。

VibeCordingでのシステム開発に、まだ定価がありません。 案件ごとの幅が大きすぎて、正直に言うと私たちの中で決めきれていません。「決まっていないのに、それらしい数字を出す」ことはしません。 ご相談いただければ、その場で内訳をお出しします。

なお、AIツールの導入では補助金が使えるケースがあります。 ただし要件は年度や公募回ごとに変わり、対象も企業ごとに違うので、私たちは「使えます」と断言しません。 一緒に調べて、必要なら専門家におつなぎします。金額や締切は、必ず公募要領でご確認ください。

呼んでいただければ、行きます

長く書きましたが、お伝えしたいのは一つだけです。

私たちは、売りに行く会社ではありません。入った先で、何か置いてくる会社です。

  • 「まだ何を頼みたいか決まっていない」——それで大丈夫です。決まっている方のほうが少ないです

  • 「うちみたいな小さい会社が」——規模は関係ありません。むしろ経験の長い会社ほど、AIは効きます

  • 「相談したら、売り込まれるんじゃないか」——値札は上に全部出しました。聞くのはタダです

私たちは埼玉県越谷市の会社です。映像制作を20年以上やってきて、そこにAIが加わりました。「AIの会社」というより、伝えるプロが、相談相手として、AIで中小企業の困りごとを一緒に片づける会社だと思っていただければ、たぶん一番近いです。

ITやAIの話を、馬鹿にせず、隣に座って聞く。それが私たちの本業です。

「これ、いくらでできますか」の一行だけでも構いません。内訳をお出しします。



 
 
 

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