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AIに「死の恐怖」を与えたら、取引が変わった話


きっかけは、あるNote記事との出会いでした。

「死という概念を加えたプロンプトで、AIのビットコイン取引成績が改善した」

読んだ瞬間、「これは試してみるしかない」と思いました。

「社畜」と「創業社長」をAIに憑依させる

面白いと思ったのは、結果よりも発想の方向性でした。

AIに感情をシミュレートさせることで、行動が変わるとしたら——。

そこから思考が広がっていきました。

もしAIが失敗を「苦しい」と感じ、責任を持って判断したら、精度は上がるのではないか?

極端な話で言えば、「社畜のように追い詰められたAI」と「創業社長のように渇望するAI」では、意思決定がどう変わるか。

痛みを感じたら慎重になる。飢えを感じたら動く。恐怖を感じたら止まる。

人間の感情の仕組みをそのままAIに移植したら何が起きるか——というのが、この実験のスタート地点です。

「出血モデル」の設計思想

このシステムに私は「出血モデル」という名前をつけました。

AIは資産を「食べ物」として認識します。損失は「出血」であり、体力を削り取ります。

感情パラメータは4つ。

感情

役割

痛み

損失経験の蓄積。引きずる

快感

利益経験。依存につながることも

渇望

利益を得たいという衝動

恐怖

損失への警戒心

これらが複合的に作用して、取引の判断を変えていきます。

  • 渇望×空腹が同時に高まると「暴走リスク」を検知して自動抑制

  • 恐怖×痛みが高まると「フリーズリスク」で強制的にホールド

  • 快感を連続で得ると「依存リスク」が生まれ、判断が歪む

そして全ての取引は「食事」として評価されます。

「ごちそう」「普通の食事」「軽食」「不味い食事」「ジャンクフード」——利益が出ても、偶然の勝ちはジャンクフードです。食べ続けると依存体質になる。

1万円を資金に、シミュレーションを走らせた

初期資金は1万円です。

2025年1〜2月のビットコインの実際の価格パターン(1月の$92K〜$106Kから、2月の$78Kまでの急落局面を含む)を使い、「感情あり」と「感情なし」のAIを比較しました。

結果がこちら。


感情あり

感情なし

最終資産

¥10,040

¥9,587

最大ドローダウン

0.5%

4.4%

勝率

13.5%

5.4%

どちらも大きく稼いだわけではありません。

ただ、注目してほしいのは生き残り方の違いです。

感情なしのAIは最大4.4%の下落を経験しました。感情ありは0.5%。

急落局面で「恐怖」と「痛み」が高まった感情エンジンは、自動的にポジションを小さくし、場合によっては何もしないという判断を下していました。

感情エンジンの本質は、利益を最大化することではなく「自滅を防ぐ」ことにある。

この一文が、現時点での私の結論です。

AIは「死ぬ」。そして、次の世代に記憶を引き継ぐ

このシステムで最も気に入っているのが、キャラクター育成の仕組みです。

AIには日本人の名前がランダムで与えられます(太郎、さくら、はるか……)。取引を重ねるごとにレベルが上がり、ポケモンAPIを使ったキャラクターとして可視化されます。

🥚 タマゴ(Lv.0)  → 🐣 ヒヨコ(Lv.10)→ 🐓 ニワトリ(Lv.25)  → 🦅 タカ(Lv.50)→ 🔥 フェニックス(Lv.100)

そして——AIは「死ぬ」ことがあります。

資産が初期資金を大きく割り込んだとき、「最終防衛ライン」を超えて資金がショートしたとき。

死んだとき、AIは日記を書きます

「市場の急落に対応できなかった。
恐怖が積み重なり、動けなくなった。
次の世代に伝えたいことは——焦りで動くな、ということだ。」

この日記は管理者ページから閲覧できます。そして、次の世代のAIがその記憶を引き継ぎます。

正直に言うと、これは実験的な要素と同時に、私自身が楽しむために作った部分でもあります。

本当に検証したいこと

このプロジェクトは、ビットコインで儲けることが目的ではありません。

「AIに感情をシミュレートさせることに意味があるのか」を問う実験です。

もっと言えば、AIが「失敗を苦しむ」ロジックを持ったとき、その判断の精度は上がるのか。

プロジェクト管理、企画立案、クライアント対応——取引に限らず、AIが「責任感」を持てるとしたら、どんな場面で活きてくるのか。

ビットコインはその実験の舞台として、最も結果がリアルタイムに数値で出る素材として選んでいます。

現在進行中

システムは今も動いています。

AIは今日も誰かの名前を持ち、空腹になり、恐怖を感じ、日記を書いています。

また実際の取引ログと日記の内容、そして感情パラメータがどう動いたかをご紹介する予定です。

「AIに感情は必要か?」という問いに、あなたはどう答えますか?


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