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生成AIで動画を作るにはいくらかかる?2025年12月最新情報とフェイク動画の見分け方

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生成AIで動画を作るにはいくらかかる?2025年12月最新情報とフェイク動画の見分け方

「AIで動画を作ってみたい」という相談をよくいただきます。確かに生成AIによる動画制作は革新的ですし、映像制作の現場でも活用が進んでいます。ただ、「無料で簡単に作れる」という認識は少し甘いかもしれません。

今回は、2025年12月現在の主要な動画生成AIサービスの実際のコストと制限、そして先日の青森県地震で問題になったフェイク動画の見分け方についてお伝えします。


「AIで動画を作りたい」その前に知っておくべきこと

生成AIで動画を作るには、いくつかのサービスが選択肢としてあります。Google、OpenAI、Adobe、Runwayなど、大手IT企業やスタートアップが競って高品質なサービスを展開しています。

ただし、ここで重要なポイントがあります。どのサービスも「1日あたりの生成回数」に制限があるということです。しかも有料プランでも制限があり、「お金を払えば使い放題」というわけではありません。


主要サービスの料金と制限(2025年12月現在)

Google Veo 3 / Veo 3.1

Googleが2025年5月に発表した動画生成AI「Veo 3」は、音声付き動画を生成できる点が大きな特徴です。

プラン

月額料金

1日の生成制限

動画の長さ

無料

0円

動画生成不可または極めて限定的

-

Google AI Pro

約2,900円

1日3本まで

最大8秒

Google AI Ultra

約36,400円

1日5本まで 25000クレジット付与 Veo 3.1 (Fast) モデルを使って動画を生成する場合、1秒あたり約180クレジット

最大8秒

重要なポイント: 有料のUltraプランでも1日5本までという制限があります。「失敗してもカウントされる」ので、思い通りの動画が出るまで何度も試すとなると、1日の制限内に収めるのは意外と難しいのです。

なお、クレジット方式(Flow/AI Studio経由)を活用すれば、Gemini内の日次制限を回避してより多く生成できる場合もあります。

OpenAI Sora 2

2024年末に公開されたSoraは、2025年10月に「Sora 2」へと大幅にバージョンアップしました。

プラン

月額料金

1日の生成制限

動画の長さ

無料

0円

1日6本まで

最大15秒

ChatGPT Plus

約3,000円($20)

制限緩和(詳細非公開)

最大15秒

ChatGPT Pro

約30,000円($200)

さらに緩和

最大25秒

無料でも1日6本まで動画が作れるのは魅力的ですが、無料・Plusプランで生成した動画にはウォーターマーク(透かし)が入ります。商用利用を考えている場合、この透かしは大きなネックになります。

また、「無制限」と謳われることもありますが、実際にはGPU負荷管理のため制限が適用される可能性があり、完全な無制限プランは存在しないと考えた方が良いでしょう。

Adobe Firefly

Adobeの動画生成AIは、商用利用の安全性を重視した設計が特徴です。

プラン

月額料金

月間クレジット

1080p・4秒動画の目安

Firefly Standard

1,580円

2,000

約10本

Firefly Pro

4,780円

7,000

約35本

Firefly Premium

12,980円

50,000

約250本

Adobe Fireflyはクレジット制を採用しています。1080pで4秒の動画を1本生成するのに約200クレジットを消費します。私自身もAdobe Fireflyを使っていますが、8秒だと1本の動画制作に400円程度のコストがかかってしまいます。

「ちょっと試してみよう」と軽い気持ちで始めると、あっという間にクレジットがなくなります。

Runway Gen-4

映像クリエイターに人気の高いRunwayも選択肢の一つです。

プラン

月額料金

クレジット

5秒動画の目安

Free

0円

初回125(使い切り)

約5本(透かしあり)

Standard

約2,300円($15)

月625

52秒相当

Pro

約5,400円($35)

月2,250

187秒相当

Unlimited

約14,700円($95)

月2,250+無制限モード

制限なし

Runwayは5秒の動画生成に約25クレジット(Turbo版)を消費します。無料プランは初回限りで、使い切ると追加の動画生成はできません。

各サービス比較まとめ(2025年12月時点)

ツール

無料プラン

有料(低位)

有料(高位)

動画長さ

Sora 2

約6本/日

制限緩和(Plus/Pro)

多め(Pro)

15〜25秒

Google Veo 3.1

不可/限定

約3本/日(Pro)

約5本/日(Ultra)

最大8秒

Adobe Firefly

無料版なし

月約10本(Standard)

月約35本(Pro)

5秒〜

Runway

初回5本のみ

月52秒相当(Standard)

月187秒相当(Pro)

5〜10秒

注意: 具体的な生成回数は、公式が固定で公開している数値ではなく、プランごとにシステム側の制限や負荷管理で変動することがあります。


実際に動画を制作してみると…

プロンプトを無視してフェードイン・フェードアウトで動画をつなげているVeo3

生成AIで動画を作る際、料金以外にもう一つ重要な要素があります。時間です。

たった10秒程度の動画でも、生成には1〜2分かかります。しかも、生成結果が思い通りになるとは限りません。同じプロンプト(指示文)を入れても、毎回異なる結果が出てきます。

「プロンプトさえ上手く書ければ一発で完璧な動画ができる」と思われがちですが、現実はそう甘くありません。言葉の認識にブレがあり、同じ指示を出しても微妙に異なる動画が生成されます。これは生成AIの「個性」とも言えますが、狙った映像を作りたい場合には何度も試行錯誤が必要です。

1日の生成回数に制限があるサービスでは、「今日はもう試せない」という状況になることも。つまり、お金も時間も、そして日数も相応にかかるということを理解した上で取り組む必要があります。


青森地震で問題になった「フェイク動画」の見分け方

ここからは少し話題を変えて、AIが生み出す「負の側面」についてお伝えします。

2025年12月8日、青森県で震度6強の地震が発生しました。その直後から、TikTokやX(旧Twitter)などのSNSで、生成AIによって作られた「フェイク動画」が大量に拡散されました。津波の映像、建物崩壊の様子、道路が陥没する動画など、実際には起きていない被害を「本物」として投稿する人々がいたのです。

気象庁と内閣府は「混乱を避けるため、拡散は絶対に行わないで」と呼びかけています。


フェイク動画を見分ける7つのポイント

では、どうすればAI生成のフェイク動画を見分けられるのでしょうか。以下のポイントをチェックしてください。

1. 動画にSoraなどのロゴ・透かしが入っていないか

多くの動画生成AIは、生成した動画に透かし(ウォーターマーク)を入れています。青森地震のフェイク動画でも、「Sora」という文字が画面に表示されているものが確認されました。画面の隅にAIサービスのロゴや名前が入っていないか、よく確認しましょう。

2. 看板や文字に違和感がないか

生成AIは文字の生成が苦手です。看板やポスター、道路標識などに注目してください。日本語のはずなのに中国語(簡体字・繁体字)やハングルのような文字が混ざっていたり、存在しない文字が表示されていたりすることがあります。

3. 人物の手や指が異様になっていないか

AIが最も苦手とするのが「手」の描写です。指が6本あったり、不自然に曲がっていたり、関節の位置がおかしかったりすることがあります。人物が映っている動画では、手元をよく観察してください。

4. 瞳や目に違和感がないか

AI生成の人物は、目の反射光が左右で一致しないことがあります。また、瞳が「生気がない」「死んだような目」に見えることも特徴です。本物の人間の目は、光の反射や視線の動きに自然な変化がありますが、AIはこの再現が苦手です。

5. 口元と音声がズレていないか

音声付きの動画では、話している人の口の動きと音声が微妙にズレていることがあります。特にリップシンク(唇の動きと音声の同期)は、まだ完璧ではありません。

6. 影や光の当たり方が不自然ではないか

現実世界では、光源に応じて影の向きや濃さが決まります。AIはこの物理法則を完璧に理解しているわけではないため、不自然な場所に影ができたり、光の当たり方がおかしかったりすることがあります。

7. 髪の毛や細かいディテールに注目

髪の毛の動き、服のしわ、水しぶきなど、細部の表現にも注目してください。不自然にボヤけていたり、物理的にありえない動きをしていたりすることがあります。


これは「デジタルテロリズム」です

災害時にフェイク動画を拡散する行為は、**人々の不安を煽り、救助活動の妨げになる可能性がある「デジタルテロリズム」**とも言える行為です。

なぜこのような動画が作られるのでしょうか。いくつかの理由が考えられます。

  • 再生数・フォロワー稼ぎ: 災害は注目を集めやすいため、インフルエンサーが「数字」を稼ぐために利用することがあります

  • 愉快犯: 人々が混乱する様子を楽しむ悪質なユーザー

  • 海外からの意図的な情報操作: 社会の分断や混乱を狙った組織的な活動の可能性も指摘されています

「面白そうだから」「バズりそうだから」という理由でフェイク動画を作成・拡散することは、絶対にやめてください。今後、こうした行為に対しては法規制が強化され、厳罰が課されるようになるはずです。

そして、「わからないけど、なんとなくシェアしてしまった」という行為も、犯罪への加担になりかねません。「本当だろうか?」と少しでも疑問を感じたら、シェアボタンを押す前に一度立ち止まってください。


まとめ

生成AIによる動画制作は、確かに革新的な技術です。しかし、本格的に活用するには月額数千円から数万円のコストがかかり、さらに1日あたりの生成回数にも制限があります。思い通りの動画を作るには時間と試行錯誤も必要です。

同時に、この技術は悪用されるリスクも抱えています。災害時のフェイク動画のように、社会に混乱をもたらす使い方をする人々がいることも事実です。

私たち一人ひとりが、生成AIの可能性と限界を正しく理解し、情報リテラシーを高めていくことが求められています。動画を見たとき、「これは本物か?」と疑う視点を持つこと。そして、不確かな情報を安易に拡散しないこと。これがAI時代を生きる私たちの新しい「常識」になっていくのではないでしょうか。

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