スマートフォンで動画を撮影するときに色味を気にしたことはありますか?
多くのみなさんにとって撮影後に色味を変える手法をとるんじゃないかな?と思います。
もちろん編集で色味を変えることはできますし、プロの映像制作の現場でもグレーディングという映像の雰囲気を整える手法があります。
しかし、後の加工の場合はRAWファイルのような特別なフォーマットでの撮影以外は【劣化】というデメリットがつきまとってしまいます。
可能な限りホワイトバランスを取って自分がほしい色味で撮影できれば劣化も少なく撮影できます。
目次
■ 1.ホワイトバランスとは? ■
ホワイトバランスは、カメラが色をどのように捉え、再現するかを決定する設定です。
異なる光源(太陽光、蛍光灯、白熱灯など)は異なる色温度を持ち、これが物体の色の見え方に影響を与えます。
ホワイトバランスの調整により、カメラはこれらの色の違いを補正し、より自然な色合いで映像を再現することができます。
その際に色合いを数字で表す指標として色温度があります。
■ 2.色温度とは? ■
色温度は、光源が放つ光の色合いを温度で表したものです。
色温度はケルビン(K)という単位で測定され、数値が低いほど赤みがかった暖色、高いほど青みがかった寒色を示します。
色温度の範囲
低い色温度(2000K - 3000K): キャンドルの炎や夕日のような暖かい色合い。白熱灯もこの範囲に含まれます。
中間の色温度(3000K - 5000K): 日中の太陽光や蛍光灯。自然光に近い色合いです。
高い色温度(5000K以上): 曇天の日の光や、電子フラッシュ。青みがかった寒色です。
色温度の撮影への影響
色温度は、撮影される映像や写真の雰囲気を大きく左右します。例えば、低い色温度の光源の下で撮影すると、映像は暖かく柔らかい印象になります。一方、高い色温度の光源では、映像はクールでシャープな印象を与えます。
スマートフォンのカメラでは、通常、自動ホワイトバランス機能が色温度を自動的に調整します。しかし、より制御された撮影を望む場合は、手動でホワイトバランスを設定することが推奨されます。
スマートフォンでもホワイトバランスを調整することができるのでしょうか。
■ 3.スマートフォンでのホワイトバランスの調整 ■
実はスマートフォンの種類によってホワイトバランスの調整ができるできないということがあります。
Androidスマートフォン
多くのAndroidスマートフォンには、ホワイトバランスを調整する機能が標準で備わっています。カメラアプリ内で「晴天」「曇天」「蛍光灯」「白熱灯」といったモードを選択することで、環境に合わせた調整が可能です。
iPhone
iPhoneの標準カメラアプリにはホワイトバランスの調整機能がないため、「ProCam」や「Snapseed」といったサードパーティ製のアプリを使用することが推奨されます。
実はiPhoneにはホワイトバランスという概念がありません。
フルオートということなんです。フルオートの精度が以前よりあがっているということでiPhoneに関しては完全に切り捨ててしまっています。
ただし、気をつけなければならないシーンがあります。
■ 4.ホワイトバランスで気をつけること ■
オートでホワイトバランスを取る場合はホワイトバランスはカメラデバイスが【白】を認識するタイミングで決まります。
人間はこの色味を脳で瞬時に自分の都合のいいように変えているのですが、機械はそう簡単にかえることができません。
急に照明の色が変わるとついていけずに色がおかしくなるときがあります。
例えば
夏の明るい日差しの撮影をしているときに屋内に入っていく
ような撮影を行う場合です。
このような場合にはホワイトバランスがズレてしまいます。
Androidスマホの場合は、外のモードから屋内モードに切り替えて調整することができますが、iPhoneの場合は自然に変化が起こるのを待たなければなりません。
場合によっては自然に色味が変わらないこともありますので注意が必要です。
■ まとめ ■
ホワイトバランスは、スマートフォンでのビデオ撮影において、映像の品質を大きく左右する要素です。
適切に調整することで、より自然でプロフェッショナルな映像を作成することができます。
映像初心者やビジネスで映像を活用する方々は、この基本的な技術をマスターすることで、映像の質を大きく向上させることができるでしょう。
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