「AIに仕事を奪われる」の本当の意味―― 消えるのは"職業"ではなく"作業"です
- 清彦 山崎
- 5月13日
- 読了時間: 7分

ある一つの誤解から、お話を始めさせてください
「AIに仕事を奪われる」――。
最近、本当によく耳にする言葉です。ニュースを開けば「○○の職業はなくなる」、SNSを覗けば「△△の業界はもう終わり」。経営者として、個人事業主として、そして一人の働く人として、この言葉に心がざわつくのは、ごく自然なことだと思います。
ですが、結論から先にお伝えします。
その捉え方には、大きな誤解があります。
2026年3月5日、私が日頃お世話になっているClaude(クロード)を開発するAnthropic社が、興味深いレポートを公開しました。タイトルは「Labor market impacts of AI(AIの労働市場への影響)」。
これまでにあった「理論上AIに置き換わる仕事」を予測するレポートではありません。Claudeが実際にどう使われているかという生のデータをもとに、「AIで本当に何が起きているのか」を分析したものです。
そこに書かれていたのは、私たちが漠然と抱いていた不安とは、まるで違う現実でした。
「全部置き換わる」は、起きていない
まず、最も大事な数字をお伝えします。
Anthropicは「Observed Exposure(観測されたエクスポージャー)」という新しい指標を作りました。これは「理論上AIができそう」ではなく、「実際にAIが使われている割合」を測ったものです。
ここで衝撃の数字が出ます。
コンピュータ・数学分野 ―― つまりプログラマーや開発者が含まれる、AIにとって最も得意とされる領域。理論上は 94% のタスクがAIで対応可能だと言われています。
では、現実にどれくらい代替されていると思いますか?
答えは 33% です。
最もAIが入り込みやすい領域でも、実際の現場では3分の1程度しか自動化されていない。AIに最も置き換えられやすいとされる「コンピュータープログラマー」ですら、カバレッジは75%。「100%代替された」職業は、現時点では一つも存在しません。
消えるのは「職業」ではなく「作業」
ここからが、レポートの本当に大切なメッセージです。
AIは、「○○という職業」を丸ごと飲み込むわけではありません。ある職業の中にある「特定のタスク=作業」を、一つずつ肩代わりしていくのです。
たとえば、プログラマーの仕事を分解してみましょう。
AIに置き換わった「作業」
定型的なコードの記述
既存コードのリファクタリング
バグの一次調査
AIに置き換わらなかった「仕事」
顧客の本当の要望を引き出すヒアリング
複雑なビジネス要件をシステム設計に落とし込む判断
AIが書いたコードの品質保証とセキュリティの担保
チームを束ねて納期を守るマネジメント
「プログラマー」という職業がなくなったのではありません。「コードを書く作業の一部」がAIに移った。それだけです。
むしろ、AIを使いこなして上流工程を担えるエンジニアの価値は、かつてないほど高まっています。
中小企業の現場でも、まったく同じ構図です
この話、私たちのような中小企業や個人事業主の現場でも、まったく同じことが起きています。
たとえば、お店を経営されている方のお仕事を分解してみると――。
AIで置き換えやすい「作業」
ブログ記事の下書き作成
SNS投稿の文章づくり
チラシのキャッチコピー検討
メルマガの文面作成
商品説明文のリライト
問い合わせメールの返信ドラフト
AIで置き換えにくい(=あなたにしかできない)「仕事」
お客様の表情から本当のニーズを読み取ること
地域のイベントで信頼関係を築くこと
仕入れ先の人柄を見極めること
商品に込めた想いを、自分の言葉で語ること
お店に流れる「あなたらしさ」を作ること
つまり、「経営者」「店主」「個人事業主」という職業そのものが消えるわけではない。
その中の "作業" が、AIで楽になる。
そして、楽になった分の時間を、本当に人にしかできないこと――お客様との対話、新商品の構想、地域とのつながりづくり――に使えるようになる。
これが、AI時代の本当の姿です。
「直感に反する」もう一つの発見
Anthropicレポートには、もう一つ意外な発見がありました。
「AIに仕事を奪われる」と聞くと、多くの人は工場の作業員や肉体労働者を思い浮かべます。産業革命以来、私たちは「機械が人の仕事を奪う」という物語に慣れているからです。
しかし、実際にAIが入り込んでいるのは、真逆でした。
最もAIの影響を受けやすいのは、高学歴・高賃金のホワイトカラー職だったのです。
逆に、AIが入りにくい職業として挙げられているのは、
調理師
バイク整備士
ライフガード
バーテンダー
皿洗い
建設作業員
農業従事者
身体を使う仕事、現場で対応する仕事、人と対面で価値を出す仕事。これらは現時点で、AIの手が及ばない領域です。
ここからわかるのは、「情報を処理して、文章や数字にまとめる作業」がAIに移り、「現場で人として動く仕事」は残るということ。
つまり、ブログを書く、SNSに投稿する、チラシを作るといった「発信作業」こそ、AIに任せられる代表格なのです。
本当の分かれ目は「使える人」と「使えない人」
Anthropicの別のデータでは、こんな指摘もありました。
経験豊富なClaudeユーザーは、AIを「協力者」として使い、自分の仕事の質を上げていく。一方、初心者ユーザーは「全部やってもらおう」として、うまく成果が出ない。
つまり、AIで仕事が奪われるかどうかは、職業や業種ではなく、「使える人かどうか」で決まる時代に入っているということです。
ここで、私自身の話を少しさせてください。
私は20年以上、映像制作の仕事をしてきました。映像業界もよく「AIに脅かされる業界」と言われます。でも、現場でAIを使い倒している私の実感は、まったく逆です。AIは脅威ではない。最強の助手です。
私が代表を務める株式会社山崎メディアミックス(YMM)では、AIとの対話で開発を進める「VibeCording(バイブコーディング)」という手法で、これまで150を超えるアプリを構築してきました。プログラミングの専門教育を受けたわけではない私が、です。
これは私が特別だからではありません。 AIを "道具" として使いこなす側に回ったからです。
では、何から始めればいいのか
ここまでお読みいただいて、「理屈はわかった。じゃあ自分は何から始めればいいの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
答えはシンプルです。
自分の仕事の中で、AIに任せられる "作業" から始める。
中小企業や個人事業主の方が、最初に取り組みやすい領域は、はっきりと3つあります。
ブログ記事を書く ―― 集客の入口になる文章作成
SNS投稿を作る ―― Instagram、Facebookなど日々の発信
チラシ・告知文を作る ―― イベントやキャンペーンの案内
どれも「やったほうがいいのはわかっているけど、時間がない」「文章を書くのが苦手」と感じている方が多い領域です。
そして、これらこそ、AIが最も得意とする "作業" でもあります。
5月17日(日)、越谷でセミナーを開きます
ここで一つだけ、私からのお知らせをさせてください。
2026年5月17日(日)13:00〜15:00、越谷市下間久里のイベント・レンタルスペース「かや」にて、
「AIを使ったWebマーケティング講座」
―― ブログ・SNS・チラシ活用まで、やさしく学べる初心者向けセミナー ――
を開催します。
このセミナーでお伝えするのは、まさに今日のお話の続きです。
AIでブログ記事を作る具体的な方法
Instagram・SNS投稿の作り方
チラシの構成と文章づくり
発信を販売や有料講座につなげるコツ
「ブログやSNSが苦手…」という方こそ、ぜひお越しください。 パソコンに自信がない方も、安心してご参加いただける内容です。
AIを "使いこなす側" に回るための、最初の一歩を、一緒に踏み出しましょう。
📅 開催概要

項目 | 内容 |
日時 | 2026年5月17日(日)13:00〜15:00 |
場所 | イベント・レンタルスペース かや(越谷市下間久里772-5) |
参加費 | 無料(ワンドリンクオーダー制) |
定員 | 先着20名(要予約) 5月13日現在残り僅かお早めに |
対象 | ブログやSNSが苦手な方/チラシ作りに悩む方/AIで発信をラクにしたい方/ネット販売や有料講座に興味がある方 |
お申し込み | kiyo@ymm4u.com もしくはチラシのQRコードから |
席数に限りがあります。ご興味のある方は、お早めにご連絡ください。
AIに仕事を奪われる時代では、ありません。 AIを使う人と、使わない人とで、差がつく時代です。
その差を埋める2時間に、ぜひお越しください。
越谷で、お待ちしています。



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