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商店街×大学×小学校をつないだ七夕アプリの舞台裏

せんげん台七夕祭り2026Webアプリ
せんげん台七夕祭り2026Webアプリ

7月4日、せんげん台西口エリアの七夕まつりが、おかげさまで大盛況のうちに幕を閉じました。

当日、私はメインブースの近くにいました。

「うちの子の短冊、どこにあるんですか?」

そう聞かれるたびに、スマホの画面を一緒にのぞき込みます。小学校を選んで、学年を選んで、クラスを選ぶ。すると、短冊が飾られているお店の名前と地図が表示される。

「あ、あのお店ですね!」と歩き出す親子の背中を、当日だけで10組以上お見送りしました。

その画面に映っていたのが、今日ご紹介するWebアプリです。

この記事では、今年の七夕まつりを支えたアプリの仕組みと、イベント当日に現場で起きた「ある出来事」を、自治体や商店街振興組合の皆さまに向けてお伝えします。


「どこに飾ってあるの?」を解決するアプリ

七夕祭り2026アプリ https://ymm4u.com/tanabata2026/


今年のせんげん台の七夕まつりには、3つの主役がいました。

ひとつめは、千間台小学校と大袋北小学校の児童たちが書いた短冊。 ふたつめは、埼玉県立大学で民俗学を受講する学生たちが、各地の伝統文化を表現したオブジェ作品。 そしてみっつめが、それらを店先に飾ってくださった商店会の店舗です。

千間台西口商店会とパークロード商店会。この2つの商店会が協力して生まれた「おかえりせんげん台」のエリア全体が、いわば屋外ギャラリーになったわけです。

ただ、飾る場所が商店街全体に広がるほど、「探す」のが大変になります。せっかく飾っても、見つけてもらえなければ意味がありません。

そこで作ったのが、このWebアプリでした。

小学校の短冊は、「小学校 → 学年 → クラス」の順に選ぶだけで、飾られている場所と地図が表示されます。

県立大学の作品は、作品番号から選ぶ方法に加えて、全国地図から探す方法も用意しました。学生たちの作品は各地の伝統文化がテーマなので、日本地図の該当する都道府県にピンが立っています。「この作品は秋田の文化なんだ。じゃあどのお店に飾ってあるんだろう?」という探し方ができるのです。

来場者は作品を探しながら、自然と商店街の店先をめぐることになります。作品を目当てに歩いていたら、知らなかったお店に出会う。この「回遊」こそが、商店街イベントの本当の狙いだと私は考えています。


初日に気づいた「足りないもの」。その日のうちに直しました

順風満帆に聞こえるかもしれませんが、実は初日、現場で大きな課題に気づきました。

アプリには、作品の番号と作品名が表示されるようになっていました。開発中は、それで十分だと思っていたのです。

ところが、実際に商店街を歩いてみると――目の前に飾られている県立大学生の作品が、どの作品なのか、まったくわからない

番号から作品を「探す」ことはできても、目の前の作品が「何なのか」を知る手段がなかったのです。作った本人が現場で戸惑ったのですから、来場者はなおさらだったはずです。

さらにその日、商店会のお店から「お店のほうもフィーチャーしてほしい」という依頼もいただきました。作品だけでなく、飾ってくださっているお店にもちゃんとスポットが当たるようにしてほしい、と。

もっともなご意見です。主役は作品と、それを受け入れてくださったお店の両方なのですから。

そこで私は、この2つ――作品の一覧表示店舗のフィーチャー――をその日のうちに作り終え、リリースしました。

翌日からは、目の前の作品を一覧からすぐに確認でき、お店の情報にも光が当たる形で、アプリはまつりの現場に戻りました。

イベントの現場は、要望の宝庫です。そしてその要望は、イベントが終わってからでは遅い。開催期間中に応えられるかどうかが、地域イベントのシステムには問われるのだと、身をもって学びました。


現場で運用できることに、とことんこだわった

このアプリは、大がかりなシステム基盤を必要としない軽量な設計になっています。導入にあたって専用の機材やサーバー構築は不要。イベントのたびにゼロから環境を用意する、という負担がありません。

住所から地図の座標を割り出すジオコーディングには、国土地理院の住所検索APIを採用しました。日本の番地表記に強く、地方の商店街の住所でも正確にピンが立ちます。

そして運用面での工夫です。

  • 作品・店舗・クラスのデータはExcelやCSVで一括取込。列の順番は自由で、取込画面で対応づけできます

  • 先生方にはログイン不要の写真アップロードページを用意。トークン付きURLを配るだけ

  • アップロードされた写真は自動で圧縮。スマホで撮った大きな写真をそのまま送っても大丈夫

イベントの現場は、ITの専門家ばかりではありません。先生、商店主、大学の担当者。それぞれが無理なく参加できる導線を作ることが、システム開発以上に大切な設計だと思っています。


この仕組みは、七夕だけのものではない

まつりが終わった今、私が考えているのはその先のことです。

このアプリの本質を一言でいえば、「位置情報 × 作品 × 店舗」をつなぐ回遊の仕組みです。

短冊とオブジェの部分を入れ替えれば、いろいろな形が見えてきませんか。

  • 商店街に絵画を展示して、まちなか美術館をめぐるアートイベント

  • 地域の史跡や名所をめぐるスタンプラリー

  • 学校や福祉施設の作品展示と、商店街の販促を組み合わせた企画

大学・小学校・商店会という、普段は接点の少ない三者を、ひとつのアプリが結びつけた。そして現場の声に、開催期間中に応えることができた。今年のせんげん台で実際に起きたことです。この連携のかたちは、全国のどの地域でも再現できるはずです。

またWebで作られているということは多言語にトランスレートできるということです。インバウンドに対しても威力を発揮します。


現在、この仕組みを他の地域や団体でもお使いいただける形に整えているところです。商店街振興組合や自治体のイベント担当の方で、「うちの地域ならこう使えるかも」と思われた方は、ぜひ一度お話を聞かせてください。地域のイベントが変わる小さなきっかけを、ご一緒に作れたら嬉しいです。



 
 
 

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