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AI経理を2社に入れて分かった、導入前によく聞かれる質問と答え

19 時間前
読了時間: 5分


AI経理は、これまでに埼玉県東部の2社に入れました。1社は通所介護(デイサービス)の会社、もう1社は設計事務所です。会計ソフトは、1社がfreee、もう1社が弥生会計からfreeeへ移ろうとしているところでした。

この記事では、導入前によく聞かれる質問に、この2社でやってみたことだけで答えます。うまくいかなかったことも、できないことも書きます。


Q1. うちはfreee/弥生会計ですが、使えますか

使えます。入れた2社も、freeeと弥生会計でした。

AI経理は、御社が今まで付けてきた帳簿を読むところから始めます。前の年の総勘定元帳と試算表を、会計ソフトからCSVで書き出してもらい、AIに読ませます。

そうすると、御社が使っている勘定科目、「この取引先はこの科目」という対応、期首の残高が、帳簿からそのまま分かります。私が外から決めたルールではなく、御社の帳簿から読み取ったルールで動きます。

freeeや弥生会計は、仕訳を作るのが得意です。AI経理が得意なのは、そのあとの「これ、おかしくないですか」です。得意なことが違うので、どちらが上という話ではありません。


Q2. AIが経理を全部やってくれるんですか

いいえ。ここは最初に一番誤解される点です。

AIが勝手に経理をするのではありません。御社の経理のやり方を、AIに一緒に教え込むものです。

毎月やることは、二つだけです。

  • 毎月決まった書類(通帳のCSV、カードのCSV、領収書、請求書など)をフォルダに入れる

  • 「まとめて」と一言いう

あとはAIが書類を照らし合わせて、帳簿の形にまとめます。その途中で、二重に入っていそうなもの、月がずれていそうなもの、科目に迷うものがあると、勝手に直さずに聞いてきます。人はそこを確認するだけです。

確認した内容は「次からこうする」とルールに書き足せます。今月迷ったことは、来月は迷わなくなります。ルールは御社のパソコンの中にあり、御社の手で育てていけます。


Q3. 給与や労務もやってくれますか

やりません。給料は、計算が終わった総額を入れるだけです。

給与計算、社会保険の手続き、勤怠の管理はAI経理の範囲外です。そこは今までどおり、給与ソフトや社労士さんにお願いしてください。


Q4. 導入の日は何をするんですか

御社に伺って、経理に使うパソコン1台に入れます。

  1. AI(Anthropic社のClaude Code)をパソコンに入れる

  2. 前の年の帳簿を読ませて、御社のルールを作る

  3. すでに締まっている月で答え合わせをする

  4. デスクトップに起動のアイコンを作り、担当の方ご自身の手で起動できるか確かめる

  5. 毎月使う「AIへの頼み方」を1枚の紙にまとめてお渡しする

前もって、前期の総勘定元帳と試算表をCSVで用意していただきます。経理に使うパソコンも1台に決めておいてください。

設計事務所の会社では、4時間半、担当の方と一緒に作りました。予定より長くなった分の多くは、パソコンの作業ではなく、「AIに経理を任せて大丈夫なのか」という不安についてのお話でした。この記事は、その時間を少しでも前に済ませておくために書いています。


Q5. いくらですか

導入(セットアップ)は 66,000円(税込) です。

これとは別に、AI(Claude)の利用料を御社で直接ご契約いただきます。月額制で、私を通さずに御社と提供元との契約になります。

導入後は次のとおりです。

  • ルールの追加や修正:御社ご自身でできます(費用はかかりません)

  • 使い方の相談:いつでもどうぞ(費用はかかりません)

  • 出力の形を大きく変える、別の業務を足すなどの作り替え:1時間16,500円


Q6. 会社の帳簿のデータは、どこかに送られるんですか

私のところには送られません。AIは御社のパソコンの中で動き、利用の契約も御社と提供元の間です。帳簿を私が預かる形にはなっていません。

また、AIが元の書類を勝手に消したり書き換えたりしないように、設定で止めています。ただ、これは「絶対に安全」という仕組みではなく、「AIがうっかり余計なファイルを触る」のを防ぐためのものです。どこまで止められて、どこからは止められないかは、導入の日にその場でお見せしながら説明します。


Q7. うまくいかなかったことはありますか

あります。

安全のための設定を厳しくしすぎた。 経理のフォルダの外にあるファイルを、AIが読み込めなくなり、作業が1回止まりました。設定を直して、その後は動いています。

AIの賢さの問題ではなく、組んだ私の想定の甘さでした。AIは、組んだ人の想定の範囲で動きます。この記事にこうして書くのは、そういうことが起きると先に知っておいてほしいからです。


Q8. 向かない会社、できないことはありますか

あります。先に書いておきます。

  • AIに任せきりにしたい会社。 AIがまとめた帳簿を、毎月確認する人が必要です。

  • 社内に帳簿がない会社。 税理士さんに丸投げで、会計ソフトも使っていない場合は、読ませる帳簿がありません。

  • 給与計算や社会保険の手続きを任せたい会社。 Q3のとおり、やりません。

  • 税務の判断をAIにさせたい会社。 最終的な判断は、顧問の税理士さんの仕事です。税理士さんにどの形で帳簿を渡すかも、導入前に確認していただきます。

  • 電子帳簿保存法への対応を任せたい会社。 法律の要件を満たしているかの判断は、私はしません。書類の整理と探しやすさを手伝うところまでです。

当てはまる会社には、無理に勧めません。


おわりに

2社に入れてみて分かったのは、AI経理は「入れたら終わり」の道具ではない、ということでした。

最初の日に、御社の帳簿からルールを作る。毎月、AIがまとめたものを人が確認する。確認したことをルールに足していく。そうやって、御社の経理のクセを覚えたAIになっていきます。

経理は、多くの小さな会社にとって「やらなければいけないから、やっている」仕事です。そこが少しでも軽くなって、空いた手で別のことができるようになれば、と思っています。


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